曽根富美子
死母性の庭―曽根富美子傑作選 (2010/03) 曾根 富美子 商品詳細を見る |
曽根富美子はちよこが最も評価する作家の一人です。社会派。
この本は児童虐待する母親の追い詰められた心理を描く表題作と
傍からみたら幸福そのものの家庭の崩壊を描いた「いのちの中の幸福」が収められています。
1993年と1987年に発表された作品ですが
その普遍的なテーマは古びることがありません。
封建時代の女性の自立を描いた「清流」、
中原中也を描いた「含羞はじらひ」
苦界に追いやられても精一杯生きようとする女性を描く「母なるもの断崖」なんかはもう凄すぎて感動なんて言葉じゃ言い表せない衝撃でした☆
ヘビーすぎるテーマが多いせいかすぐ絶版になってしまうことが多いんですが
一番再版を望むのは破天荒な老教授とその60歳離れた息子とを描く「ファーザー(全2巻)」です。
キリキリくる現実感だけじゃなくて
人の優しさ・柔軟性を信じる曽根さんの描くものがたりがもっと読まれるといいな☆と思います。
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