相羽奈美の犬(全)/松田洋子
待てど暮らせど出ぬ2巻を待ってたら・・・・><。
まあどんなカタチであれラストまで読めたのは嬉しいです♪^^
掲載誌も二転三転しつつ連載続いたのは作品のクオリティとそれを応援するコアなファンがいてこそ・・・?
皮肉表現が桁はずれなのは「リスペクター」からの持ってうまれた天賦の才☆よのう!
(尾玉なみえちゃんにも通じる打ち切り女王的実力?^^)
ストーカー青年が愛する美少女を犬として守りたい、と願ったら犬神パワーで叶ってしまったホラーギャグ?ですが
ヒトとしての生きづらさをえぐった、現代社会への痛烈なオマージュになってると思います!
犬神・ネンによって犬の姿にされた青年は陰のある美少女・相羽奈美のピンチを救おうと
彼女に危害を加えてくる人間たちに噛み付き彼らをその本性に近い姿(の犬)に変えていきます。
完璧な美少女でありながらいつも寂しげな奈美の家庭環境や出生の秘密が徐々に明かされていきますが
悪役?でおっかないお父さんの那美にウリ双子なお母さん・真奈美への純愛とかセツナスなあ><。
犬にされた人々も(人格的には歪んでるんやけど)犬になった姿の方が無力な愛玩犬系が多くて
ソッチの姿の方が生きやすそうだったりして結果的には救いになったり。
ラストシーンで人間の姿に戻された青年が悲しげに吠えるところが
「ええ~、このオチでいいの?」って気もするけど
どうシュミレーションしても大団円はありえないような気がする(主人公ふがいなさ杉!←ゆえに成り立つ話ゆえ)
作画クオリティも大変高く醜悪なキャラでさえ
綿密に描きあげられた表情からその悲しみや理不尽に受けてきたであろう受難をも伺わせます。
犬も表情あってかわいい。そしてグロテスクでもある★(そこがイイ!)
スポンサーサイト
松田洋子礼賛♪^^
![]() | 相羽奈美の犬 1 (2009/07) 松田 洋子 商品詳細を見る |
新刊読みました。^^
親に捨てられたヒキニート青年が
『こんな人生よりも、好きな人の犬になりたい』と願ったらかなってしまった、という話。^^
主役の青年のうしろむきさがパねえっす!^^
でもこれ現代人ならだれでも持ってる無力感?かなあ。
高度成長期のような根拠のない前向きさは、今の日本人にはどうしたって持てないと思うし
持ってたらかえってヤバイみたいな。><
無気力を絵に描いたような主役青年ですが、
見たところなんらかの欠陥があるわけでもなく
見た目もそこそこ美形?なのに
学校に行くでもなく働くでもなく
家のモノを売りかろうじて食を得る毎日。
たまたま見かけた美少女に恋するものの
こっそりストーカーするのが関の山。
彼女に好かれようとか
彼女を幸せにしようとかカケラも望まず、
「彼女の犬になれたら・・」
その望みがうっかり?^^かなってしまう悲喜こもごも☆
ご主人の相羽奈美さんも幸福なだけの美少女ではなく色々事情がありそうです。
犬の立場で彼女を精一杯守って行こうとする彼ですが・・・
松田洋子のデティール力?の健在ぶりが嬉しかったです。
秘密の花園結社リスペクター (Vol.1) (SPA! comics)
秘密の花園結社リスペクター (Vol.2) (SPA! comics)
からの大ファンですが、(元祖褒め殺しマンガ?)
褒めれば褒めるほど痛烈な皮肉になってしまうその力量にノックアウト☆^^
![]() | 人生カチカチ山―女の幸せ探して三千里 (2001/09) 松田 洋子 商品詳細を見る |
ではドキュメンタリー番組のような半生を笑いのめし(壮絶><)
北朝鮮では命がけ?の身体をはったギャグ(笑えないよ><)
なんつーかもー、痛々しいまでの漫画家の生き様を見せてくれる
それでいて世の中を舐めてるようにも見える松田洋子という生き方に興味が尽きません。
あ、でもやっぱり一番衝撃的だったのは
![]() | 薫の秘話 (2000/12) 松田 洋子 商品詳細を見る |
かなあ。
この表紙のオヤジがニートギリギリの底辺(糖尿持ち)なのに
ナルシストのゲイなんす。
持たざるものに現実はいかに厳しいかを痛烈に描いてます。
これだけの力量を持ち、決して他の作家には描けない特異な世界を描く松田洋子さんを高く高く評価します。
とりあえず「相羽奈美の犬」、二巻が楽しみです。^^